地域まるごといきいきブログ

能登半島地震被災地支援へJMAT派遣の報告

 

 広島共立病院は、今回の能登地震に際して、広島県医師会からの要請に基づき、1月16日~20日までJMAT(医師会医療支援チーム)として医師、看護師、薬剤師、事務の4人を派遣しました。
 初日と最終日は引継ぎや情報収集で、実質的な被災地での活動は3日間でした。チームに課せられた任務は、現地の医療機関や福祉施設の立て直しを援助し地域とのつながりを戻す支援をすることでした。
 
 活動の拠点となったのは能登半島中西部、原発で有名な志賀町北部の富来町でした。富来町は60床の町立病院が1つと開業医が3件という医療資源の乏しい地域ですが、今回の地震で震度7を記録し、この町立病院が倒壊の危険ということで、入院患者全員が金沢市内まで転院搬送されました。
 私達が行った1月17日には、外来も再開し、入院も外来エリアを使用して、少しずつ復旧していましたが、まだ院内外に大きな亀裂や天井の崩れなどがあり、安全とは言えない環境でした。この富来病院を拠点にして、周囲の避難所や福祉施設を巡回し、健康面だけでなく生活面のスクリーニング(聞き取り)、アセスメント(分析や評価)や診療を行ってきました。富来町では、まだまだ道路や家が損壊したままになっているエリアが多く、上下水道とも復旧までに1~2カ月以上かかるとのことで、避難所生活が長引きそうです。
 
 派遣最終日あたりから、病院の機能が回復してきたため、JMATとしての役割は徐々に少なくなり、リハビリやメンタルケアのチームが活躍しています。今後はさらに北のエリア、輪島市や珠洲市といった、より被害が大きかった地域への支援にシフトしていきます。能登半島のインフラも、中部地域まではほぼ復旧が進んでおり、通常通りとまではいきませんが、コンビニやガソリンスタンドは開いています。

 医師会だけでなくいろいろな方面で、息の長い支援が必要です。
 出来ることを一つ一つ積み重ね、被災地への支援につなげましょう。ご協力お願いいたします。