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被爆者医療の集大成として

被爆者医療の集大成として
   ~ 青木医師「被ばく者とともに」

 広島医療生協ソーシャルワーカー部会の企画で、広島医療生協で30年間被爆者医療に取り組んで来られた前広島共立病院院長 青木克明医師のお話を聞く学習会が共立病院で行われました。
 青木医師は長野の病院に勤めていた1988年、故郷の広島で開かれたIPPNWでの丸屋医師(初代共立病院院長)との出会いを契機に、1990年、42歳の時広島共立病院へ着任しました。1993年、45歳の時、原爆症の認定申請を希望する患者さんと初めて出会い、それが被爆者医療に取り組む始まりとなりました。
 認定申請が増える中、認定基準を狭めた国に対し2003年、国を相手取った原爆症認定集団訴訟が起こされ、診断にあたった原告患者支援のため提出した医師意見書が否定されたことから、自分も原告になったつもりで「訴訟を支援する広島県民会議」の世話人となりこれを支援。広島地裁で全面勝訴を勝ち取る大きな力となりました。
 広島共立病院は開院当初より多くの原爆症認定申請に取り組み、1979年からの40年間で422件、うち60%に当たる253軒が認定となっているそうです。
 その後も「黒い雨」訴訟支援や韓国、ブラジルなど在外被爆者の受入れ治療や支援交流活動、そして福島原発事故以後は福島原発被災者の受け入れ治療や、MSWと協力し原発事故相談などにも積極的に取り組んできました。中でもチェルノブイリ原発事故と同様、子供の甲状腺ガンの発生が危惧され、今後の継続した検査や診療の必要性を指摘します。
 番外編として個人的な趣味としても調査されている広島市に残っている爆心2km以内の58カ所170本の被爆樹木についても触れられ、熱線によりどの木も爆心地側に傾いていることなどの紹介もありました。
 青木医師の大きな功績を引き継いで、私たち広島医療生協はこれからも被爆者医療に取り組んでいきたいと思います。
 先生、長い間本当にお疲れさまでした。^^;