連載企画「たかさんの独り言じゃけ」Vol.5
フェイスブックのカバーに、猫を使っている方がたいへん多いのに気づく。私も子どもの時に一時期、猫を飼っていたことがあったが、一緒に寝て毛だらけになるのを短気な父が怒って数キロ離れた焼却炉に捨てに行って、悲しい思いをしたことがあった。ただ、「猫は家になつく」とよく言うが、その捨てた猫が半年ほどして帰ってきて、ビックリしたものだった。
中島みゆきの歌にもよく猫がでてくる。「世情」や「あした」では臆病でおろかな存在として描かれているが、「常夜灯」では亡くなった人へのいとしくも悲しい気持ちを猫に託して歌っている。もうひとつおもしろいのは、すばり「なつかない猫」、あらゆる誘いを避けるので、罰を与えようとむきになる男たちを、「湖よりもはるかに鎮まりかえった瞳で猫は見ている」と歌う。人間のずるさを見抜く猫の純真さを対比している。いずれにしても「猫は家になつく」と同時に本来は「人にもなつく」のだろう。